従業員満足度向上!低コストで導入できる福利厚生
ES健康経営の前田です。
福利厚生はコストがかかるから導入したくない、最低限の福利厚生でいいとお考えの企業もあるでしょう。しかし、福利厚生が充実している企業は、働きやすい、従業員にとって優しい、そうしたポジティブなイメージに結びつき企業選択の際の重要なポイントになる事は確かです。従業員満足度を高め、離職を防ぎ定着率の向上へ繋げるために、福利厚生にかかるコスト、低コストで導入できるものについてご紹介します。
福利厚生のコストはどのくらいかかる?

福利厚生には法定福利と法定外福利があります。前者は法律によって義務づけられているものであり、後者は企業独自で設ける事ができるため企業アピールにも繋がります。まず、福利厚生にはどの程度のコストがかかるのかを見ていきましょう。
法定福利のコスト

法定福利の内容は
健康保険
厚生年金保険
介護保険(40歳以上)
雇用保険
労災保険
こども・子育て拠出金
年次有給休暇
産前産後休暇
育児、介護休暇
があります。
この中で企業と従業員とで50%ずつ負担になるものは健康保険、厚生年金保険、介護保険(40歳以上)、企業が全額負担するものは労災保険、こども・子育て拠出金です。ちなみに、こども・子育て拠出金に関しては従業員の独身、既婚、子供の有無には関係なく、企業が負担するものになります。
雇用保険に関しては企業負担が三分の二、従業員負担が三分の一となります。
このような法定福利費の合計は月給の約20%となります。例えば月給20万円の場合なら法定福利費は4万円、合計24万円が人件費の目安になります。
なお、少子高齢化もあってこうした社会保険料が企業の負担を増大させている要因にもなっています。
一方、直接的な企業コストが発生しないのが年次有給休暇などの法定休暇です。
法定外福利のコスト

それでは、企業の魅力にも成り得る法定外福利のコストについてですが、よく見かける法定外福利に対して従業員人1人あたりにつきどの程度コストがかかっているのかを見ていきましょう。
住宅関連
住宅手当、家賃補助などの住宅に関する福利厚生は従業員から人気があります。
厚生労働省の平成27年就労条件総合調査結果によると住宅手当の相場は、平均すると17,000円でした。ただし企業規模により金額に差があり、従業員数が1000人以上の場合は19,333円、30~99人の場合は14,359円という結果になりました。
また、日本経済団体連合会の2018年度福利厚生費調査結果によると法定外福利厚生費用の47.8%は住宅手当でした。約半分の割合を占めているため企業側にとっては大きな負担となっているのが現状です。そのため、昨今では住宅手当を廃止ないし引き下げを行う企業もあります。
リモートワークが普及しどこでも仕事ができるコロナ禍において、会社の近くに住まなくてはいけないという概念が減ってきているように思えます。そうした事を踏まえると今後は住宅手当等の福利厚生ではなく、在宅手当のようなものに切り替えていく企業もあるのではないでしょうか。
法定外の健康診断・人間ドック
従業員への健康診断は企業の義務であり法律で定められています。雇い入れの直前または直後、1年以内ごと1回の定期健康診断があります。
定期健康診断の場合にかかる費用は医療機関により差がありますが、従業員1人あたり大体5,000円~15,000円に設定しています。
人間ドックの受診は健康診断とは違い企業の義務にあたりません。定期健康診断よりも検査項目が増えるため費用の平均相場は4万円~かかってきます。全額企業負担にしている企業もあれば、費用の一部を負担している場合もあります。
従業員にとっては、費用を企業に負担してもらえる事で経済的にサポートしてもらいながら自分の健康状態を把握できるため、健康志向が高まる昨今で人間ドックは人気の高い法定外福利です。
食事関連
食事関連の福利厚生といえば、社員食堂です。美味しくあたたかい食事が食べられるのは従業員にとっては魅力的ですが、社員食堂は場所の確保や機材の設置などの初期コストが数百万~、さらに人件費、食材費、水道光熱費等のコストも規模によっては数百万円~かかってきます。
社員食堂以外にも、お弁当などのデリバリータイプ、自動販売機を設置するタイプのオフィスコンビニ、食事補助チケット等の食の福利厚生があります。
デリバリータイプのお弁当の場合はお店ごとによって差が出てきますが1食500円前後が相場となります。
オフィスコンビニを導入する場合、自販機の設置が各社ごとのサービスにより初期費用が0~50,000円、さらに商品補充につき料金が発生します。
食事補助チケットで有名なチケットレストランは、導入にあたり初期費用はかからず従業員1人あたり月額7,600円です。
こうした食事補助の福利厚生は月額3,500円が企業負担の場合、従業員が月額3,500円以上を負担すれば食事補助となり福利厚生費として非課税になります。
交通費・通勤手当
交通費や通勤手当も法定外福利の1つです。
2018年度の経団連による第63回福利厚生費調査結果報告によると通勤手当、通勤費は従業員1人1カ月あたり平均すると9,002円という結果になりました。
企業によっては交通費に上限を設けているケースもあり、その場合の平均額は3万4.260円でした。(独立行政法人 労働政策・研修機構による企業の諸手当等の人事処遇制度に関する調査2014年8月)
また、交通費を支給していない企業の理由としては、交通費がかからない範囲で通勤できる人のみを採用している、給与の中に交通費を含めている、などの回答がありました。
最近ではコロナウィルスによる影響でリモートワークが常態化している中で、交通費・通勤手当を廃止している企業もあります。
レクリエーション
社内のコミュニケーションの活性化のため、社員旅行、社内運動会などのスポーツイベント、社内サークル、忘年会や歓送迎会などのレクリエーションの福利厚生を取り入れている企業も多いです。コストは従業員数によって差が出てきますが、こうした文化・体育・レクリエーション費用の従業員1人1カ月あたりの費用は2,124円でした。(2018年度の経団連による第63回福利厚生費調査結果)
社員旅行に関しては最大3泊4日、従業員1人あたり10万円までが福利厚生費として計上できます。社員旅行の平均金額は国内で35,000円、海外の場合は79,000円、大体このくらいのコストがかかると見ておけばよいでしょう。
慶弔見舞金
従業員やその家族に不幸やお祝い事があった時に支払われるお金のことを慶弔見舞金と言います。結婚祝い金、出産祝い金、災害見舞金、傷病見舞金、死亡弔慰金などの種類があります。
結婚祝い金の相場は3~5万円、出産祝い金は1万円、災害見舞金は天災等によって従業員の自が被災した場合に支給されるもので、持ち家か借家かによって変わってきます。持家で全焼、全壊の場合には10万円、半焼、半壊の場合には5万円が目安になります。傷病見舞金の相場は業務上傷病の場合は1~2万円です。死亡弔慰の金は従業員本人の場合は5~10万円、その家族(配偶者・子供・父母等)の場合は1~5万円でした。
従業員にとって慶弔見舞金は利用する機会が少ない福利厚生ですが、慶事と違って弔事の場合は予期せず発生してしまう事がほとんどのため、実際に利用した従業員は経済的サポートと感じるようです。
利用率が低い福利厚生をどうするか

従業員とその家族の生活の安定とさらなる向上を目的としているのが福利厚生です。上記で挙げた例をご覧いただくとわかるように福利厚生を充実させるにはそれだけコストがかかってきます。せっかく企業側が福利厚生にコストを投じていても従業員の利用率が低ければ、その目的は達成されません。それどころか、利用されないのに月々支払っているコストが経営を圧迫してしまいます。
なぜ利用率が低いのか

福利厚生の利用率が低い理由として挙げられるのは
魅力的ではない
利用する機会がない
内容を知らない
利用するための手続きが面倒
このようなものです。
時代によってトレンドの法定外福利厚生を導入してきた企業も多いですが、現代に生きる従業員にとって魅力的ではない福利厚生がそのままになっているケースもあります。
また、2020年2月頃より発生したコロナウィルスによる影響で、アフターコロナも見据えた際に利用率の回復が見込めない福利厚生が浮き彫りになっている企業も多いのではないでしょうか。
そのような利用率が低い、今後利用率が向上しないであろう福利厚生を見直す事は、企業の経営、従業員満足度を考慮した上でも重要になってきます。また、今ある福利厚生の利用率を改善させたい場合には、上記の理由を参考に内容の周知、手続きを簡単にするなどを行っていくことが重要です。
福利厚生の廃止時は慎重に

ただし、福利厚生の見直しや廃止をする際には慎重にならなければいけません。
例えば住宅手当のような従業員の生活に直結しているようなものは、廃止した場合従業員にとって不利益な労働条件にあたり労働契約法上の不利益変更とされます。従業員から訴えられてしまう可能性もあるため、廃止する際には従業員へしっかり説明し理解してもらった上で書面で同意を得るなど段階を踏まなければならないのです。
低コストの福利厚生はどのようなものがある?

福利厚生の導入にコストがかかる事は理解していただけたと思いますが、それでも多くの従業員に満足してもらえるような福利厚生をなるべく低コストで導入したいと考えている企業も多いのではないでしょうか。
昨今、従業員から求められているのが医療や健康、育児や介護などの福利厚生です。働き方改革が提唱されている今、従業員の仕事と生活のバランスの調和が重要視されているからです。
このような仕事と生活のバランスの調和が取れるような福利厚生で且つ低コストで導入できるものはどのようなものがあるのでしょう。
100円社食のESキッチン

食事関連の福利厚生は「従業員のあってよかった福利厚生」として満足度の高く需要度の高いものです。莫大なコストをかけられないけれど食事の福利厚生を充実させたい企業におすすめしたいのが100円社食のESキッチンです。従業員は好きなパウチ惣菜を電子レンジであたためるだけ、と手軽に利用できる人気のサービスです。栄養バランスの良い食事を安く提供する事で、健康への配慮、経済的サポートにも繋がります。企業側が用意するのは電子レンジ、また冷蔵庫を設置するスペースのみです。事業規模の大小に関わらず利用でき、全国対応可能なため100円社食のESキッチンを導入する企業が増えています。最近ではコロナ禍の影響で外に出なくても社内でランチが済ませられるといったメリットもあります。導入コストは下記の表をご覧ください。

福利厚生代行サービスの活用

いくつかの福利厚生サービスをパッケージ提供している福利厚生代行サービス企業もおすすめです。グルメ、レジャー、旅行、介護、育児、スポーツなど多岐に渡るサービスがあるため、従業員はその中から好きなものを選んで利用できるシステムです。例えば住宅手当などの限定された福利厚生の場合、実家暮らしの従業員は利用できずに不公平感を持ってしまう事もありますが、このパッケージプランは自分に合ったものを選べるというメリットがあります。入会金は3~5万円かかりますが、月額料金は従業員1人あたり数百円と低コストです。
特別休暇の導入

特別休暇はコストのかからない福利厚生です。法定外休暇とも言い、産前産後休暇、介護休暇、育児休暇、年次有給休暇のような法律で義務付けられている有給休暇とは別のものです。企業独自で設ける事のできる特別休暇にはどのようなものがあるかというと、リフレッシュ休暇、バースデー休暇、慶弔休暇、ボランティア休暇、永年勤続休暇などが挙げられます。
休暇の日数や有給無給にするかは企業独自で決める事ができます。
休暇が増えるため従業員からは喜ばれるでしょうしコストはかからないものの、従業員が休暇の場合には他の従業員へ負荷がかかってしまったり人手不足になってしまったりする可能性もあるため、導入には慎重にならなければいけません。
福利厚生のコスト、低コストで導入できるものを紹介させていただきました。ただし新たなものを導入してもそれが従業員の利用に繋がらなければ、結局は無駄なコストになってしまいます。自社の従業員がどのような福利厚生を求めているのか、しっかりと二―ズを把握し、その上で導入を検討してはいかがでしょう。導入後定着するまでは、従業員に周知してもらい、利用しやすい環境作り、利用状況の把握を企業側がサポートしていくことも重要です。
冒頭にも記載したように、法定外福利は企業のPRにもなります。企業イメージの向上、優秀な人材の確保へと繋げていくためにも導入した福利厚生を従業員、求職者に魅力的に伝えていきましょう。
