未来の労働力を確保!社食で守る従業員の健康
2030年問題という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
国内における人口減少、少子高齢化によって引き起こされる労働人口の減少、労働生産性の低下、GDPの低下、年金、介護、医療の社会保障費の増加など既に問題視されているものが2030年にはより深刻化することを指しています。
少子化になるにつれて若い労働力の流入が見込めないとなると、どうしても今ある労働力をキープしていかなければいけません。
2030年、そしてそれ以降の労働人口を確保するため高年齢者雇用安定法の改正をするなど、高齢者の労働力を頼りにせざるをえないのが今後の見通しです。
そして、そのために重要なのが今ある労働力=今いる従業員の心身の健康です。ここ数年、健康経営に取り組む企業も増加しています。少し先の未来ではありますが、現在中核として働いている従業員が加齢しながら労働生産性をキープし続けるために企業は一体何ができるのか、をテーマに本記事をすすめてまいります。
労働人口がより高齢化する未来

2022年2月1日における現在日本の人口は1億2534万人、2030年には1億1662万人、2035年を過ぎたあたりから1億人を割り、そして2060年には8674万人まで減少すると予測されています。(国立社会保障・人口問題研究所の将来推計)
また、出生数の推移を見てみると、1989年には125万人だったものが、2019年には3割程度減少して87万人となりました。少子化の理由は様々ありますが、今後も増加に転じる事はなく、2040年には74万人まで出生数は減少すると予測されています。(令和2年版厚生労働白書 厚生労働省 出生数、合計特殊出生率の推移)
急激な少子高齢化が進む中で、将来的な労働力の不足が懸念されており、8年後の2030年には、日本の労働人口が労働需要に対して644万人不足すると予測されています。(パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」)
労働力の不足がもたらす結果として、経済全体が縮小し国内成長が見込めなくなります。我々国民への影響としては、健康保険制度などの社会保障システムが維持できなくなる、年金の支給額が減額され高齢者の貧困問題が深刻化する、介護医療従者不足で適切なケアを受けられない、などの生活に直結してくるリスクが考えられます。
高年齢者雇用安定法の改正で70歳まで就業機会を確保

上記のような問題を踏まえ、将来的な労働人口を確保するために改正高年齢者雇用安定法が2021年4月1日に施行されました。
それまで65歳までの雇用確保措置であったものが70歳までに引き上げられました。その他にも、定年制の廃止、または定年年齢を70歳まで引き上げする、などです。これらはあくまで企業側の努力義務でありますが、働きたい人が70歳までの就業機会を確保するためのものでもあります。
2021年の国内の就業者数は男性が3687万人、女性は2980万人でした。男性は前年に比べ22万人の減少、女性は12万人も増加しています。
また、15~64歳の就業者数は前年より16万人減少して5755万人、65歳以上では6万人も増加して912万人という結果になりました。
2021年現在、国内の労働力は65歳以上が13%を占めています。2030年には日本の人口の1/3が65歳以上となるため、高齢者の労働力の割合は今後も増加していくでしょう。
福利厚生で従業員の健康寿命を延伸

高年齢者雇用安定法で70歳までの就業機会を得られても、それまでの期間が心身ともに健康でなければ働くことはできません。心身共に健康で自立して過ごせる期間のことを健康寿命といい、2016年にその平均年齢が男性においては72歳、女性においては74歳と算出されています。
健康寿命を延ばす事ができれば、健康に働ける期間も長くなりますし、医療や介護が必要のない状態を長くする事で社会保障費の抑制にも繋がるとされています。
健康寿命の延伸は、企業や国のためだけではなく高齢者個人の生活の質向上にも繋がります。個人の努力はもちろん必要ですが、企業が従業員に対してできる事はどのようなものなのかを見ていきましょう。
健康寿命に繋がる“適切な食生活”

健康寿命の延伸のために厚生労働省では、
・適度な運動
・適切な食生活
・禁煙
を中心に企業や自治体と連携した取り組みを推進しています。ここでは“適切な食生活”にスポットを当てて解説していきたいと思います。
適切な食生活とは具体的にどのようなものかといいますと、主食(炭水化物)・主菜(たんぱく質)・副菜(ビタミンやミネラル・食物繊維)の3つを組み合わせたものです。これが栄養バランスのとれた食事です。
ちなみに2020年には「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている国民の割合」は58.6%でした。特に20代~30代においてこの割合が低くなっているため、若い世代へ栄養バランスに配慮した食生活を意識してもらう事が重要です。
米やパン、麺類などの炭水化物は手軽に摂取しやすい栄養素ではありますが、魚や肉などのたんぱく質、野菜や海草類やきのこは経済的なゆとりがないこと、調理する時間が取れないことで摂取する機会が少なくなってしまいます。外食やコンビニなどで食事を済ませようとすると、どうしても炭水化物に偏りがちになってしまう経験が皆さんもあるのではないでしょうか。
また、日本の代表的な調味料は塩・醤油・味噌で、日本人は塩分を摂り過ぎているといわれているため、塩分を取り過ぎないようにする事も食生活において重要です。なぜなら塩分を摂り過ぎると、高血圧・脳卒中・心筋梗塞・心不全・動脈瘤などこのような病気リスクの発症に繋がってしまうからです。
適切な食生活を食事補助の福利厚生で提供する

適切な食生活を送るために重要なことは
・栄養バランスのとれた食事
・塩分を摂り過ぎない
という事がわかりました。
さて、法定外福利厚生の1つに食事補助・昼食補助を導入している企業も多いのではないでしょうか。なぜなら食事補助は、社員が喜ぶあると嬉しい福利厚生でもあり、従業員満足度が高く離職率低下にも一役買っているからです。この食事補助の福利厚生で従業員の健康を維持増進していくことが、将来的な労働力の確保に繋がるともいえます。近隣の飲食店で使えるようなバウチャー型、宅配弁当のような飲食店を通しての食事補助を導入している場合では難しいかもしれませんが、社員食堂を完備している企業では「適切な食生活」のための栄養バランスのとれたメニューは提供しやすいのではないでしょうか。
その他にも一例として、管理栄養士が監修した栄養バランスのとれた惣菜を提供しているESキッチンのオフィス社食サービスもおすすめの福利厚生です。社食といってもレトルトタイプなのでいわゆる厨房スペースは必要ありません。
メニューは、お米単品やカレーライスなどの主食もありますが、主に魚や肉の主菜、野菜や海藻類の副菜を多く扱っているため、栄養バランスのとれた食事がとれる事、1品100円という低価格が魅力です。また、20種類以上あるメニューは月ごとに10品ほど入れ替わるので飽きる事なく利用できます。
レトルトタイプのため持ち帰りできるのも魅力です。忙しくて自炊する時間や気力がない時には電子レンジで温めるだけで食べられるのは便利ですし、栄養バランスもとれているとなると嬉しいものです。1人暮らし、介護や育児で忙しい従業員及びその家族にとっても使い勝手が良いものとなるでしょう。
適度な運動の機会、禁煙への啓発、健康診断など、健康寿命の延伸のために企業が従業員に対して提供できるものは様々ありますが、特に健康を意識する頻度が高いものは1日3度訪れる食事の時間で、どの世代においても平等に必要です。
現在、食事の福利厚生の導入や外部委託を検討している企業は、その社食業者が提供する食事が「適切な食生活」に繋がっているかどうかを今一度見直してみてはいかがでしょうか。
従業員が高齢化している、既に人手不足で従業員がオーバーワークになっている、新たな従業員を雇って育てる余裕や余力がない、このような企業は1~2人でも欠けてしまうと現場が回らなくなる事が多いのではないでしょうか。そうした場合、特に今いる従業員が長く働けるように、働き方改革を行ったり健康に対する意識付けをさせたりする必要性があります。企業が提供するだけではなく、最終的に従業員個人が意識しなければいけないので、適切な食生活のための福利厚生が、適度な運動の機会、禁煙への啓発、健康診断の受診など健康に対する意識向上へのきっかけにもなるはずです。
少し先の未来ではありますが、2030年、自社の従業員の平均年齢はどのくらいでしょうか。はたして企業成長は見込めるでしょうか。高齢化社会の中で数年後の労働力を確実に確保するためにも、今からできることを考えて取り組んでいくことが重要です。
